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学芸員のこれ推し!№2~『幕末の柳島に生きる』より

2023.6.20~12.31
学芸員のブログ
茅ヶ崎市博物館では、4月29日から7月9日にかけて「幕末の柳島に生きる」を開催しています。本展の企画・展示にかかわった学芸員が、「これ推し!」を、週替わりでお伝えしていきます。
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藤間柳庵没後140年企画展
「幕末の柳島に生きる」

幕末の柳島に生きた藤間柳庵は多彩な顔を持っていました。今年はその柳庵没後140年の節目にあたります。本展では「かながわの100人」にも選ばれている藤間柳庵の足跡やゆかりの品々、藤間家に残された調度品のほか、民俗資料館 旧藤間家住宅で見られる柳島の自然をご紹介しています。
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第2回目は『藤間家の自然』と自然観察会を担当した馬谷原学芸員!
旧藤間家住宅の敷地は、江戸時代から庭として管理されてきたことにより長年に渡り開発などの影響をあまり受けていません。そのため、江戸時代から続く屋敷林の名残のタブノキや、植栽された植物、柳島の環境に適応した地域の植物、動物などをみることができます。
今回はそのなかでも、姿かたちや、ひらひらと飛ぶ様子が美しいチョウの仲間を紹介します!

チョウの仲間は成虫になると花の蜜などを吸いますが、幼虫の時の食草が決まっており、種類ごとに各食草を食べ成長します。
旧藤間家敷地内では、樹林や草地、管理された植栽といった複数の環境がみられ、狭い範囲で様々な環境に生息するチョウをみることができます。
早速、どのようなチョウが生息しているのか、みていきましょう!


アオスジアゲハ
幼虫は、タブノキ・ニッケイ・クスノキなどのクスノキ科の植物を食草としています。街路樹として植えられていることも多く、市街地でもよくみかけます。翅の水色の帯が目立ちますので、みたことがある方も多いのではないでしょうか。



コミスジ
幼虫は、フジ・クズ・ナンテンハギ・ハリエンジュなどのマメ科植物を食草としています。市内北部丘陵には広く分布していますが、南部ではあまりみられないチョウです。



アカボシゴマダラ
幼虫は、エノキ(ニレ科)を食草としています。人為的な放蝶が原因で広まった中国原産の外来種です。



ヒカゲチョウ
幼虫は、アズマネザサなどのタケ・ササ類を食草としています。平地や丘陵地の雑木林周辺でよくみられるチョウで、樹液や落ちたカキの実などを吸いに集まっている様子をみることができます。



ツマグロヒョウモン
幼虫は、タチツボスミレ・パンジー・ビオラなどのスミレ科の植物を食草としています。明るい草地や、住宅地ですと植栽されたパンジーなどでもみられます。



ヤマトシジミ
幼虫は、カタバミ(カタバミ科)を食草としています。草地、住宅地、道路の脇など、カタバミが生えていれば様々な場所でみることができますので、もっとも身近なチョウかも知れません。

博物館では、紹介したチョウの他にも、旧藤間家住宅の敷地で見られる植物や動物を展示しています。また、旧藤間家住宅では実際の藤間家の自然をみることが出来ます。
ぜひ、博物館や旧藤間家住宅におこしください!
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