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博物館のスタッフ紹介①〜館長という仕事〜

2024.1.30~4.29
学芸員のブログ
茅ヶ崎市博物館の工藤です。当館はおかげさまで開館から約1年半、多くのお客様にご来館いただき感謝申し上げます。
すっかり更新が止まってしまっているこのブログですが、学芸員を中心にインタビュー形式で普段のお仕事内容や館のスタッフの人柄に迫っていきます。


?)わざわざ別室に呼び出してなにかあったの?
工)これからインタビューをします。
?)・・・といいますと?
工)これから、インタビューを、します。

?)・・・。


今回紹介する方はこちらです。



須藤 格(すどう かく)
・博物館担当課長兼館長
・幼少の頃より父親の仕事の転勤で、国内外の様々な地域で暮らす。その影響もあり大学では外国語を専攻。令和4年7月30日博物館長に就任。


異例の経歴


工)須藤館長は令和4年7月の開館日に博物館長になられました。これまでの経歴を教えてください。
須)(ほんとにやるんだ・・・。)大学ではフランス語を専攻していました。自動車メーカーに就職して海外営業を3年経験しました。人やものに接する仕事がしたい、学生時代に専攻していたことを使いたいと思い、働きながら学芸員の資格を取得して、茅ヶ崎市に入庁しました。

工)さらっとすごいこと言いますね。働きながら資格を取るのは大変だったのでは?
須)正直なところかなりキツかったです。

工)フランス語専攻ということで一見博物館とはあまり関係のないような気もします。
須)大学の授業で表象文化論というものがあり、そこでミュージアムに興味をもちました。

工)なるほど。茅ヶ崎市を選んだ理由は?
須)人と近いところがよいから、市町村から選びました。ミュージアムを持っている市町村です。

工)そこで茅ヶ崎市。ってあれ?当時は学芸員職はなかったですよね?一般事務で受けたんですか?


須)はい。
工)どこに配属されるかわからないのに・・ですか?
須)はい。そして見事に関係のない部署へ配属されました(笑)
工)ちなみにどちらに・・・?
須)収納課です。
工)関係なさすぎて笑う。
須)辞令を受け取った時はマジかよって思いました。同期にも言われたので心の声出てたみたいです(笑)ただ、収納課ではコンビニ収納の導入に携わって、それはそれで楽しかったですよ。
工)普通に適応してて笑う・・・。

念願のミュージアムへ


須)2年で生涯学習課(現:社会教育課)へ異動となりました。
工)そして普通に希望通ってるし・・・。

須)生涯学習課では文化財保護と文化資料館の管理を行いました。職員は5名でしたね。
工)えっ・・・(今は2つの担当に分かれており、職員も正規職員だけでそれぞれ10名・7名います。)

工)え・・・えぇと、昔は一部委託だったとはいえ、かなり大変だったのでは・・・?
須)それが大変さに気づいていませんでした。社会人としての経験もまだ浅かったですし、前の課と違って市民の方から感謝されたり学ぶことも多く、むしろありがたいと思いながら働いていました。
工)さっきからさらっとすごすぎる発言ばかりだ・・・。

茅ヶ崎市博物館の整備へ


工)博物館の整備には初期から携わっていますよね。整備計画のお話はそれだけで何ページにも渡りそうなので別の機会にしたいと思いますが、実際に「茅ヶ崎市博物館」が完成してどうでしたか?
須)文化財や資料だけにとらわれず、市民の声をいただきながら固定概念に囚われない博物館になったかなと思っています。
工)入ってすぐにサマリー展示が目に入ってきます。初めて見た際には思わず声が出たのを思い出しました。


(サマリー展示)

須)意外と分かってますね。
工)意外と・・・。


工)開館後はいかがでしょう?
須)全てが新しいので刺激的な日々です。些細な事でも前例が無いので試行錯誤しながら運営しています。また、展示だけでなく建物や敷地を管理すること自体がとても大変です。
工)確かに建物管理は大変ですね。民俗資料館の管理も博物館で行っていますしそれだけでも大変ですよね。


(民俗資料館(旧和田家住宅))

館長というお仕事


工)開館と同時に館長になられました。管理職として仕事していてなにか意識していることはありますか?
須)職員が自発的に考えることのできる環境をつくることを心がけています。これには生涯学習課時代の経験が役に立ちました。少数な所属だったので。トップダウンというよりも、職員自ら考える職場づくりをしています。
工)確かに茅ヶ崎市博物館では職員自ら考えて仕事をする環境があります。このインタビューもそうですね。
須)・・・。

工)茅ヶ崎市博物館では、学生が会計年度任用職員として働いており、学芸員の就職が決まっている者もいます。なにか学生にメッセージはありますか?
須)学芸専門員の会計年度任用職員は社会人の経験を積むことのできるとても良い機会であると思います。博物館を目指していなくても、是非チャレンジしてほしいですね。
工)ありがとうございました。

須)まさかとは思うけど、他の人にもやるの・・?
工)全員やります。おかげさまで当館には職員自ら考えて仕事をする環境がありますので。



須)・・・。


第1回目の職員紹介では、博物館長にお話を伺いました。
確かに、これまで経験した所属と比べても抜群に職員自ら考える環境があって、次はどんな企画をしようかなぁと帰り道でも自然と考えていたりします。
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