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庚申講の講用具

解説

庚申講の「講」とは、何軒かの家が集まってある行事を行うことを言います。昔は日々を、十干・十二支を組み合わせた60通りの呼び方で呼んでおり、そのうちの「庚申」(かのえさる)の日の夜に、何軒かが集まって夜を徹して行われる講を、「庚申講」と呼びました。つまり60日おき、約2ヶ月に1回行います。
夜通し行うことの意味は、かつて、人に害をなす三尸(さんし)という虫が体内におり、庚申の夜、その虫が体内から抜け出して天帝に日頃の罪を告げに行くと、天帝がその人を早死にさせてしまうため、その夜は眠らずに起きていたほうがよいと考えられていたためです。
庚申の夜、宿をつとめる家ではごちそうを準備しました。おもに男性が行事を行い、女性は食事の準備や片付けを担いました。市内の場合、料理の中身は、菱沼ではコンニャクが入っていたり、南湖ではアジなどを刻んだナマスが入っていたり、地域色がありました。また、「ややこしい話をするなら、庚申の晩にしろ」や、普段の夜でも遅くまで話をしていると「まるでお庚申様の晩のようだ」と言われることもあり、隣近所に住む人びとにとっての重要なコミュニケーションの場でもありました。

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